2023.8.7
【先輩獣医師にアンケート】就職活動で気をつけていたこと
- 就職活動
全国に10,000件以上の動物病院が存在し、実習先や就職先を選ぶだけでも一苦労です。さらに、個人経営や企業運営、スタッフ数、設備など、その運営形態や規模も様々です。そんな中で、就職先選びに迷ってしまう学生さんも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、就職先をどのように決めていけば良いかを、先輩獣医師たちの経験談も交えてご紹介します。
就職先選びのステップ
目指したい将来像から譲れない条件を考えよう
獣医学部に入学する前、どんな将来を思い描いていましたか?また、現在はどんな獣医師になりたいと考えていますか?
まずは自分の気持ちと向き合い、何年後にどのようになりたいか?という具体的なキャリアプランを立ててみましょう。
「将来は地元で開業したい」「プロフェッショナルとして専門医を目指したい」「保護犬・保護猫活動など臨床以外のことも大切にしたい」「海外で獣医師として働きたい」など、目指したい獣医師像は人によって様々です。
また、自分の将来を具体的にイメージしながら、譲れない条件を明確にしていくことも大切です。
プライベートの確保よりもガッツリ仕事にのめりこみたい、仕事とプライベートどちらも大事にしたい・・・など働き方の部分でもそれぞれ希望があると思います。
最新の設備環境が整っている病院で働きたい!犬猫に限らず色々な動物を診療できる病院が良い!給料がたくさんほしい!といったことも条件として検討する必要があるでしょう。
実習へ行く動物病院を探そう
Googleなどの検索エンジンを使い、希望条件からキーワードで動物病院を検索してみましょう。動物病院のホームページを見て、事前に病院の雰囲気や採用状況を確認することはとても大切です。
日々の診療業務に追われ、なかなかホームページをアップデートできていない病院ももちろんありますが、最近では、オンライン面接を行っている病院も多くあります。また、合同説明会では一度に複数の動物病院の話を聞くことができるのでお勧めです。YouTubeなどの動画サイトで気になる病院を検索してみるのも一つの手でしょう。
病院実習へ行こう
実習を申し込む際には、以下のようなことを確認するようにしましょう。
- 実習の日程(希望日を事前に複数ピックアップしておきましょう)
- 実習の時間(集合時間は特にしっかり確認しておきましょう)
- 病院到着後の流れ(どこにお声がけすれば良いか?)
- 当日の持ち物(履歴書は必要か?)
- 当日の服装
- 応募~採用までの流れ(就職を考えている場合)
- その他気を付けるべきことがないか
当日対応してくださる方は、恐らく当日も実務を行っている先生であるケースがほとんどだと思います。「その方々の貴重な稼働時間を頂戴するんだ」という意識を持ち、感謝の気持ちを忘れず臨んでください。
できる限り自分のこと(特に良い部分)を知ってもらえるよう準備しましょう。
そして、一緒に働くこととなるスタッフや病院の雰囲気を五感でしっかり感じ、終了後は病院の雰囲気について細かくメモを取っておきましょう!
さいとう動物病院の先輩に就職活動の体験談を聞いてみた!
現在、さいとう動物病院に勤めている先輩獣医師10名に就職活動で気をつけていたことや失敗談について聞いてみました!
就職先選びで大切にしていたこと
そのほかに就職先選びで大切にしていたこと
- 設備(レントゲン・エコーなどある程度の設備が整っていること)
- 福利厚生
- 給与
- 勤務時間
- 医療の専門性
- 患者数や症例の幅
- 土地・立地
- 設備(CTのような高度医療機器があるか)
※回答結果として多かった順番に並んでいます。
やはり採用後の仕事内容や長く勤めていく中でどんな経験ができるのかということを気にしている声が一番多くあがりました。もちろん福利厚生や休日も大切ですが、対応できる症例の種類や数、どんな手術を先輩たちが経験しているのかなど、獣医師として自分がどのようにキャリアアップしていけるかという点はとても大切です。学生の時から色んな先生や動物病院と出会い、どんな獣医師になりたいのかというイメージを持つことも大切かもしれませんね。
その次に多かったのが「スタッフの関係性」。診察や手術を一人で行うことはできません。獣医師だけでなく、動物看護スタッフの方たちとも協力し、チームとしての一体感がとても大切になります。また臨床現場に立ち続けると、症例のことで悩んだり、辛く悲しい経験をすることもあります。楽しい時だけでなく、困った時にもサポートしあえる仲間がいることは、長く仕事を続ける上でも重要なポイントになります。実習の際には、先輩同士がどのようにコミュニケーションをとっているのか、お昼休みの雰囲気などにも目を向けてみるといいでしょう。
その他にも教育環境や得意な診療科目を一番に選んだ先生もいました。まずは病院の立地から就職先を絞り込む方も多いと思いますが、こういったアンケート結果になったのは、専門医と連携した教育環境や診療体制が整っている当院ならではの傾向かもしれませんね。
セミナーのリモート化や交通機関の発達に伴い、症例が多い人口の多い街でなければ獣医師としてキャリアアップできないという価値観も変わりつつあります。立地だけではなく「本当に自分がなりたい獣医師像」としっかり向き合い、就職先を選ぶことも大切です。
最終的に就職の決め手となったポイント
- 院長の熱意・院長の人柄
- キャリアプランの点で1番将来の夢に近づくことができると感じた
- 専門性の高さ
- 転職のタイミングで縁があった
- 専門医の先生達とのコネクション・海外の専門医とのコネクション
- 職場の雰囲気
就活・転職活動時期にやって良かったこと
- 動物病院のホームページ巡り
- 実習先の特徴や率直な感想をまとめたノートを作った
- 自分がやりたいことを周囲や相手に話す・学校の先生や実習先の先生にお勧めの病院を聞いてみる
- 気になったらまず実習へ
- 獣医師以外の仕事をしてみる
就活・転職活動時期の失敗談をご紹介!
実習先の病院に財布を忘れ、郵送してもらった
実習の時はどうしても緊張で普段はしないようなミスもしてしまいがちです。特に遠方の病院へ実習に行く際は、持参物や忘れ物に十分注意しましょう!
Googleマップで分院が表示されていることに気づかず、本院に着く頃には遅刻していた
最近はグループ病院として複数の分院を持つ動物病院も増えています。不安な場合は、事前に実習先に場所を確認してもいいでしょう。万が一、時間に遅れてしまいそうな時は実習先へ電話し、連絡することも大切です。遅刻してしまった時の対応次第では、逆に好印象を与えられる可能性もあるので、狼狽えず誠意を感じさせられるように心がけましょう。実習の際は、10分前には病院へ着くようにしましょう。
2次診療施設と1次診療の募集時期が異なる傾向があるので、どちらに行くか自分の中ではっきりさせておけばよかった
各病院で採用の募集時期は様々です。就職希望の動物病院をリストアップし、事前に募集時期や実習の受け入れ状況などを整理しておくことをお勧めします。6年生から就職活動を始めるのではなく、4年生や5年生の頃から実習へ行くようにすると、就職先選びもスムーズにできますし、慌てることが少なくなるかもしれませんね。
最後に・・・
今回はさいとう動物病院のスタッフの声も聞きながら、就職活動の進め方や注意点についてご紹介させていただきました。これからの就職活動や病院実習にぜひ活かしてみてください!
さいとう動物病院では、病院実習を随時受け入れていますので、お気軽にお問い合わせください。また最新の求人状況については採用情報ページをご覧ください。
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