2022.5.24
2022.5.24
【院長×副院長】さいとう動物病院の現在、そして未来のはなし Vol.01
聞き上手な齊藤院長と話し上手な川上副院長。今回は病院を統率するお二人に、病院のこれまでの取り組みや今後の抱負などについて語っていただきました。–Vol.1:全2回
「世界水準の動物医療を群馬県で」その想いと実現に向けた取り組みについて
川上先生
専門の獣医師さんとのつながりがあるところは、さいとう動物病院の強みになっていますよね。うちの病院だと、こまめにLINEで症例の相談をしたり、かなり相談しやすい環境ではあるなと感じます。そこに、飼い主様の意見も乗っかってくるので、担当医がしっかり折り合いをつけていくことが今後の課題かもしれないですね。
齊藤先生
世界水準っていうと言い過ぎかもしれませんけど、専門医の方と連携を深めることで、飼い主様が希望されるだけの動物医療を提供できるようにしたいですね。
川上先生
そういう意味では、国内外の専門医の先生方と連携をもっと取りやすくしていきたいというところはありますね。例えばレントゲンなどの画像を専門医の先生に共有しようとすると、データ移動や転送になんだかんだで手間がかかるじゃないですか。
齊藤先生
関連会社さんにも協力してもらって、今はまだいろいろなやり方を試行錯誤している段階って感じではあるね。ここの安定したフローが作れて、通信技術がもっと発展してくると遠隔での診療がどんどんスムーズにできるようになるので、乗り越えたい壁です。
川上先生
そうなると、群馬県にいても日本のどこにいても一定水準の獣医療を提供するっていうことも現実味を帯びてきますよね。
齊藤先生
それが普通の形になるといいなって思いますね。獣医療全体のことを考えると、うちでやっていることが他の病院でもできるように、情報はオープンにしていきたいなって思っています。
川上先生
遠隔診療の実現って、飼い主様にはもちろんメリットがあるんですけど、専門医の先生にもメリットがあるんですよね。難しい症例っていうのは間違いなくあって、でもその症例を診る機会がないと専門医の先生が日本で活躍できなくなってしまう。雇用側としても人件費がどうしても高くなってしまいますしね。この遠隔診療や画像診断を実現するシステムは、専門医の先生がきちんとスキルを発揮できる機会にもなっていると思います。
齊藤先生
“日本どこでも”という点で言うと、もともと自分たちも小さい町の病院だったっていうバックボーンも、今となっては説得力を持たせやすい材料になっているかもしれないですね。時間はかかりますが、遠隔診療を軸に地方でも高度医療を提供するというテーマは、ぜひ実現させたいですね。
川上先生
私はもともと秋田の病院にいましたが、地方の動物病院は都会の高度な医療と、かけ離れている感覚がありました。獣医師一人ひとりの意見や考えは、その地域の医療の質を変える一因になります。「地方であっても、根拠に基づいた治療・診断を行い、医療の質を底上げしたい」というのが自分の考えです。どうですか、先生は?
齊藤先生
そうですね。富岡の田舎だからやる気が出るというのはありますね。この間も言いましたけど、目指す形が結局みんなの話を聞いて全員でいい形を目指していったら、それがいい形になるんじゃないかなと思います。
ホワイト化・教育制度・・・強化していきたい課題について
齊藤先生
高度医療の提供に加えて、病院のホワイト化と働きながらしっかり勉強できる形を作っていきたいですね。ホワイト化を進めていくと、これまでよりも労働時間は短くなりますが、その分個人の成長スピードが下がってしまう。そこのバランスをどう取っていくかが難しいですよね。労働時間は減ったけど、プライベートの時間を割いて、勉強する時間が増えると意味ないですしね。早くスキルアップしたい人も自分のペースで成長したい人も、仕事をしながら、しっかりレベルアップしていける形を作るのが一番の課題ですね。 あとは、医療レベルを上げていく中で、研修医の受け入れやプログラムみたいなのも作れたら良いなと思います。
川上先生
今まさに、そこを作ろうとしてますよね。今も様々な分野の専門医の方に協力いただいていますが、自分の診療をこなしながら専門医の診療を見学したり、話を伺ったりするのが、意外と難しかったりします。なので、効率よく常勤の先生もスキルを吸収していけるような仕組みを作ろうとしている段階です。「研修」っていうと、大学に行ったり、他の施設に行くのが普通だと思います。ですが、さいとう動物病院だと大学にいるような先生にも来ていただいているので、ここで働きながら研修できるようにしたいんです。具体的には、自分の診療に集中する日と、研修医として働く日という2パターンを作れるように検討している感じです。
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