おすすめキャリア教育体制獣医師

2022.5.23

動物病院における麻酔科とは?

酪農学園大学を卒業後、他院での経験を経て、さいとう動物病院で麻酔科医を務める松浦聖先生。動物病院の中でもまだメジャーではない麻酔科についてお話を伺いました。

松浦先生の来歴・さいとう動物病院に入社したきっかけ

これまでの経歴について教えてください。

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

出身は岡山県で、大学は北海道の酪農学園大学に通っていました。卒業後は岡山にある山陽動物医療センターに就職しました。その後、2年8ヶ月ほどお世話になって、2020年の6月からさいとう動物病院で働いています。

入社のきっかけは?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

初めは海外の病院に行くことは出来ないか、佐野先生に相談させていただいていたんです。
ですが、コロナの影響もあって、なかなか海外に行くことは難しいとなった時に、さいとう動物病院を紹介していただいたのが大きなきっかけでした。
自分の視野や知見を広めたり、違う環境で色々挑戦してみたいという思いがある中で、海外の動物医療に触れてみたいという考えも生まれたので、転職には前向きでした。

さいとう動物病院に対して魅力に感じた点は?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

海外と日本では麻酔への考え方や方法が異なったりするので、海外の麻酔を見てみたいという思いが強くありました。なので、海外で麻酔の専門医の資格を取得された小田先生がいらっしゃるというのは大きな魅力になりました。
病院の一角が空いていたので、見学に行って即入社したみたいな感じでした(笑)

さいとう動物病院ではどういった手術が多いですか?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

1次病院ではあるのですが、高度医療も謳っているので、幅広い症例の手術がありますね。
小田先生に担当してもらった症例としては、動物が高齢な場合や肺葉切除、褐色細胞腫などがありましたね。症状などに関わらず、飼い主様が希望すればもちろん提案させてもらいます。

海外と日本の違い・専門医がおこなう麻酔について

日本と海外ではどのように麻酔の手法が違うのですか?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

海外の方が痛みに対して敏感に対応する傾向があります。痛みを和らげるために局所麻酔をしっかり併用したり、使う薬を変えたりしながら、麻酔科医は痛みをしっかり抑えるように努める印象があります。

入社してから実際に小田先生に麻酔のことを相談したりすることは出来ましたか?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

小田先生は週に1度、さいとう動物病院に来院してくださっているので、そのタイミングで麻酔の掛け方について質問させてもらったり、手術を見学させていただいたりしています。

麻酔専門医の技術や手法は違うなと感じますか?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

やはり根底にある日本と海外の違いは感じますし、そこが面白いです。
僕自身も1次診療上がりなので、麻酔に時間をかけるよりも手術自体を早く終わらせて、診察を回していくことに考えがいってしまうことがあります。
小田先生の場合は、手間を惜しまずに丁寧にしっかり麻酔をかけられるので、僕自身もこれまでの考えややり方を見直さないといけないなと刺激になります。
海外は日本よりも、局所麻酔の技術が発達しているので、そこも大きな違いですね。多くの病院では局所麻酔はしないで、全身麻酔だけで管理していくというのが主流だと思います。そうすると、いざ局所麻酔を実践しようと思っても、手技に慣れていないので、麻酔自体に時間がかかってしまいます。それだったら、全身麻酔で早く手術を終わらせてしまおうというのが今の主流です。ですが、小田先生の場合は局所麻酔についても高い技術をお持ちなので、手技もスピーディですし、すごく勉強になります。

“麻酔”という分野について

松浦先生が麻酔に興味を持ったきっかけについて教えてください。

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

酪農学園大学は元々麻酔が強くて、僕が所属していた研究室の教授である山下先生は麻酔の分野では国内でも有名な先生でした。なので、学生時代に入った研究室が麻酔科だったというのが、大きなきっかけにはなっていると思います。その名残で麻酔をし続けているようなところはあります。

麻酔の興味深いところ、おもしろさを感じる点を教えてください。

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

外科の先生と仲良くなれるのが個人的には一番いいなと思うところなんですけど(笑)
同じように処置をしても、術後で痛がる子がいたり、ケロッとしている子がいたりするので、ケースバイケースで薬の組み合わせや量を考えるのが好きっていうのはありますね。
手術中の操作や患者の痛みへの感性も影響するとは思うんですけど、自分が使った薬が、体の反応としてどう現れるのかという点は、いつも違うので興味深いです。
大学時代お世話になった山下先生も「麻酔は生理学の実験」といつもおっしゃていて、まさにそうだなと感じます。 モニターだけを見ていれば良いというわけではなく、術部や患者の体など、手術全体を見て判断して、さらに生理学的なところまで噛み砕いて考えていくことが大切だなと思います。

麻酔をする上で心がけていることはなんでしょうか。

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

できる範囲で痛みを抑えてあげたいと思いますね。やっぱりそこが根幹にはなっていると思います。それと合わせて、手術がうまくいくように、少しでも術後の回復がスムーズになるように、少しでも麻酔の側面からサポートできたらいいなと思っています。

麻酔科医を目指すにはどのような方法があるのでしょうか。

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

生理学的な側面が強い分野でもあるので、基礎力が大切になると思っています。
僕の場合は、学生時代に麻酔科で学んだことがコアになっていて、その基礎の上に、就職後の経験が蓄積しているという感覚があります。
大学のように薬も豊富にはないという環境の中で、どうやるのか。病院によって考え方ややり方、置いている薬も異なるので、その一つ一つを経験として積み上げていくのが、大切だと思います。そういった意味では最初の段階で、麻酔に造詣が深い先生の下で学ぶというのがおすすめかもしれません。

最後に・・・

麻酔科医を目指したい方だけでなく、どういった方が病院と合いそうですか?

さいとう動物病院麻酔科医松浦先生

松浦先生

人間関係がすごく良いのと、症例の幅も広く、専門医の先生とも繋がりを持てるのが一番の魅力だと思います。幅広く症例を見つつ、その中でも興味がある分野はさらに深めたい人には向いていると思います。
特に、専門医の先生方のレベルが各分野のトップクラスなので、論文ベースで治療の話が上がったりもします。そういった側面で見ると、最先端の医療に触れたい、学びたいというような方にとってもおもしろい病院だと思います。

CONTACT

お問い合わせ