2022.5.24
2022.5.23
夜間診療について–Vol.01
国内だけでなく、ニュージーランドでも臨床経験をもつ山田先生。現在はさいとう動物病院
の夜間診療を担当されている先生に、さいとう動物病院病院への入社の経緯から、夜間診療
立ち上げ時のお話し、夜間診療への想いなどを語っていただきました。— Vol.01:全2回
※この情報は2022年5月31日時点での情報になります。
山田先生がさいとう動物病院で夜間診療立ち上げるまでの経緯について
さいとう動物病院では夜間担当として働いているんですか?
山田先生
はい、そうです。以前はフレキシブルに昼も夜も出勤していたんですが、今は夜間診療に集中して働いていますね。夜間といっても16時半から勤務時間になるので、夕方から深夜まで診療を担当するという感じです。
夜間診療や救急医療に取り組む病院はたくさんありますが、さいとう動物病院を選んだ理由は?
山田先生
佐野先生からの紹介ですね。本当はニュージランドのマッセイ大学に戻る予定だったんですけど、コロナで戻れなくなってしまって、どうしようかと悩んでいた時に、マッセイ大学の佐野先生に齊藤先生を紹介いただいたのが大きなきっかけです。齊藤先生とお話しする中で、群馬県でも夜間診療をやってみるかという話になり、1から立ち上げてみるのもやりがいがありそうだなと感じ、さいとう動物病院への入社を決めました。
夜間診療の体制をどのように整えていったんですか?
山田先生
夜間診療を始めてみて、そこで出た問題を解決していく形で進めてきました。救急医療の知識があれば出来るというものでもなくて、日中への引き継ぎ、かかりつけ医との関わり方や飼い主様への説明の仕方だとか、日中の診療とはアプローチが全然違うんですよ。そういったところも少しずつ、スタッフに共有しながら作り上げていった感じです。
夜間の診療体制やスタッフのスキルアップについて
救急に関するセミナーや勉強会も院内で実施しているんですか?
山田先生
なかなか時間が合わないので、全員で座学はできていないです。
夜間に患者さんが来院されたら、動物看護師にも色々説明しながら診察や看護をしていくことになります。最近は、それを動画に撮ってYoutubeに共有するようにしています。
こんな症例が来たので見ておいてください!!と感じですね。
症例ベースで理解してもらうことで、動物看護師もその後の入院管理のポイントも抑えられますし、実際の症例が題材になっているのでより実践的に学んでいけると思います。
それはすごく身になりそうですね。
山田先生
そうですね。一つの症例をみんなで学べるので効率的ですし、実際にやってみてよかったと思いました。今後は新人スタッフにも勉強材料として動画を使ってもらえたらいいかなと思います。
夜間診療をどういった時間枠で回しているんでしょうか?
山田先生
18時から23時までの受付を基本に診察を回しています。
【スタッフに優しい夜間診療】山田先生の考えについて
他の獣医師や動物看護師の方からも、夜間救急をはじめてから働きやすくなったという声をお聞きします。
山田先生
それは嬉しいですね。
逆にスタッフが疲れてしまう印象があったので、意外だったのですが?
山田先生
それは、夜間診療をする上で、スタッフの働きやすさっていうのを僕自身がすごく重要視しているからです。さいとう動物病院で夜間診療をはじめてから、病院の設備がよくなり、動物看護師のレベルが上がってきているのも見ているし、今のレベルだったらこれくらい受けられるな、と総合的に判断して夜間診療を回すようにしています。救急医療は一人ではできなくて、チームワークが必要になります。
なので、この検査はこの人だったらこれくらいの時間でできるだとか、この人は今この仕事もしてるし大変そうだなとか、人の仕事量もしっかり見るようにしています。そうすることで、今の病院体制で受け入れられる症例数を正しく判断できるので、働くスタッフにも負担をかけずに夜間診療をできているんじゃないかと思います。
スタッフの労働環境を意識するようになったきっかけがあったんですか?
山田先生
最初の病院は症例数も多く夜間もやってたんですけど、日勤が順番で夜も働くシステムで、シンプルに辛かったんですよね。動物看護師も子育てや家庭との両立が出来ずに身体を壊す方が多くて、それじゃ続けられないよねっていう。
女性が自分の人生も大切にしながら仕事もできるっていうことがすごく大切だと思っています。なので、少しでも実感してもらえていたら嬉しいですね。余裕が出たところで、勉強に興味持ってもらい、重症管理のスキルをあげてもらえたら、さらに嬉しいです。
夜23時までと決めていることも全体のバランスを見ての判断ですか?
山田先生
そうですね。
色々試した結果、飼い主様にもスタッフにも無理がないということで、今の時間枠に落ち着いた感じです。夜の遅い時間にしか来れない飼い主様にも、夜間診療の枠で予約してもらうようにしています。
スタッフの生活や病院運営を第一に考え、その上で診療を行っていく。それが僕の目指したい夜間診療の形ですね。
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